月 影 燦々と照らす太陽よりもぼんやり浮かぶ月が好きそれがあなたの口癖で夜道を嬉しそうに歩きだす男と女の友情などあり得ないと聞くものの引く手数多のあなただから決して魅力的に見えてないわけではないけれど僕らは結構成り立っていますね互いの恋の雲行きが悪くなると今宵もしっぽり燗のぐい呑み交わし女を見る目が無いのよ と言われ男を見る目が無いのでは と返す散々とくだを巻いて早く幸せになれ 君に幸あれ 言いあってまたね と別れる交差点月影に消えていくあなたの背中を見送ってお互いに幸あれ見上げた月灯りは心もとない
薄明の丘 ぼんやり佇む丘の上いつもとかわりない静寂と土からのぼる生きてる匂いこれだけで劇的なことは無くってもなんとなく桜色みんなの心も色めいて
瞬 …しぼんでいくのがいたましい…きみが言う花の息吹が瞬き(またたき)なら瞬き(まばたき)が写真の息吹せめてまたたき を まばたき の中に閉じ込めてみる…うまくこのまま撮っておいておけそ?…きみは嬉しそうに花の香りを嗅ぎながら写真は匂いまでは得手じゃないだから薫り楽しむきみの横顔と一緒に撮っておこうまばたき の中に
雨のプロローグ New York 紫の街 ふっふっふ〜八神純子 様が唄ってらっしゃるNew York着いたその日から雨だった微妙な色に霞むマンハッタン恋が待っているわけでもないの 摩天楼レインコートは置いてきたでもいいの 明日から私この街でやってみたかったこと叶えてみせるからこんな空ぐらいがちょうどいい あとは晴れるだけぜんぜん世代じゃないけど 私もちょっと口ずさんで「ふっふっふ〜♪」それにしても冷た過ぎるNew Yorkこの雨はだから探してみるつもり温もりも。
道 ならび行く人にはよしや後(おく)るとも正しき道をふみな違(たが)へそ(明治天皇御製 -大御心・道-より)〜多くの人々と並んで行く世の中で、たとえ、他の人々にはおくれることがあっても、あまり急いで、正しい道をみふあやまらないでほしいものです。〜
晩 秋 あがっていく長雨に浮かんで揺れる水面の枯れ葉儚げね…独り言と濡れたヒールが切ないただあなたに居て欲しかっただけなのに一言さよならの文字が告げる秋の終り
古 里 深い深い山あい 茅葺き覗くとんぼ舞う細道 ぽつりぽつり雨の気配縁ありて訪ねる古里奥へ奥へ 風に揺れる簾に足を止めては魂(こころ)の記憶辿るいつかは帰りたい願った誰もが幾人も父母を想い 兄弟姉妹を想い熱り宿して明日また旅人となる
Kiss You Kiss Me 午前0時 バスターミナルまだこんなにも人で溢れているの人前でくっついたり あなたは許してくれないねカレ持ちの友達みんな街中でギュッってチュッてしてもらってたり切ないのは私だけ二人っきりの部屋 あふれるキスは今はどこ?唇が "じゃあ、行くよ" 言う前に何か私に忘れ物 あったりしない?ガラスの靴 届けてもらえなかったプリンセス勝手にBad End そんな気分いいでしょ ちょっとだけ Let me kiss you片方だけのヒール 残していくみいたいに二人で笑いあう度 ささやくスキは今はどこ?唇が "そんな、泣くな" 言う前に他に私に届け物 あったりしない?ガラスの靴 拾ってもらえなかったプリンセス途中でThe End こんな気分この気持ち 何度でも Kiss You Kiss Me片方だけのヒール 残していくみいたいに
Secret Base デスクは存分に荒れ放題また誰かに呼ばれた メール来た 電話来たこれだけで朝が終わっちまうって何ごとだ昼メシは後回しだフロアを右往左往 白くて細い御御足に視線奪われてる場合でもないああ神様 どうかここで静かに働かせてほしいものだよやるべきことは100 やりたいことは100010分の1の出来事だけで終わりたくない吹きっさらしの風の隅っこで煙草の1本はしけたものでもSecret Baseここから全てが動く勢いで
きみは優しいね あくびして出かける夜明けの湖どこへ行くにしても静寂に生まれる太陽だとかどしゃ降りのあとの虹だとか雲間に漏れる夕陽の柱だとか離れて暮らすきみにどうしても見せたくて一緒に見たいよ 呟いてこの景色のどこかにシェアしたい何かをいつも探してしまうんだそれでも いつでもキレイ と笑顔の絵文字付で返してくれるからきみは優しいね
coffe「Reset Nerima」 改札抜けて徒歩3分扉を開けて待っているのはピアノの音色Bill Evans恋人たちがちらほらとおひとりさまは なんとなく カウンターたまには違った味をたしなむ気はあるけれども決まって"ブレンドで…。"ネルドリップ 注がれるお湯に託して明日のことはとりあえず 明日に考えよ誰かのこともとりあえず 彼方に考えよ今ひとまず この一杯 飲み干したらケチャップそこそこスパゲッティNext Orderここはカフェ「リセット・ネリマ」
恋のWAVE 76.7 FM "Tower of Tokyo"今も恋のヒットチャート届けているのデスクワークはひとり わたしのそばにはLove Wave 76.7 FMお気に入りのパーソナリティ声だけは理想のステディ"Song of Love"今は未練なんて何にも無いけどメロディを懐かしむ わたしを癒すのはWhite French Bulldog, 3 years old正直 顔はブサイクでも写真でさえ愛しすぎるだけど そろそろそうも言ってられない?恋のWAVE 光るオレンジにお願いしてリクエスト送ってみるコーヒーブレイクわたしはここに居るよまだ見ぬ誰かに向けて
i need you, you need me. I need You.いつかは煙になるこの身でもきっと今ではないでしょう?たとえ私たちを引き裂く何かが起こってもそれでも私にはあなた一人一人が必要で私の過ごす時間をつくってる一緒に食べた果実の美味しさも一緒に歌った声のハーモニーも一緒に歩いた堤防のみちくさもあなた無しでは描けないそれはトリアージできないだから生きていてYou need Me.いつかは草木になるその身でもたぶん今ではないでしょう?たとえ私たちを隔てる何かが起こってもそれでもあなたには私一人一人が必要であなたが送る時間をつくってる一緒に謝る失敗の気まずさも一緒に仰ぐ夜空のきらめきも一緒に笑う映画の楽しさもわたし無しでは描けないこれはトリアージできないだから生きていく
白いシーツの真ん中で 揺れて 触れて 確かめて 慈しむまるで自分のことを想うように白いシーツの真ん中にこぼれては降る言葉と口づけはまるで自分のことをいたわるように重ね合わせる指先が波のように満ちて白いシーツの真ん中で渦を巻き宇宙に還る熱を帯びて引き合う呼吸に誰とも見たことのない光へと還るいつ返ってくるか分からない文字も見えないままに聞く声も映しだされて触れぬ頬も白いシーツの真ん中で 一度にひとつ。
恋火 敵の家のあなたとわたし一緒になれるとも分からない酉の刻に口笛鳴れば「今夜は逢いに行くよ」のあなたの合図燭台にそっと恋火を灯して髪を結い着物の帯をゆるく締めくちびるに紅をひいては鏡の前で溜め息をつく
触れ合う手 もし あなたが居なかったとしたならば今の私は居なかったでしょう大丈夫 そばに居ますから陽射しの中でのお昼寝は きっと気持ちがいい教えてくれた子守唄 口ずさむ番たとえ あなたが私の顔を忘れても絶対に悲しんだりしない私があなたの生きて来た証私があなたの記憶の欠片この腕の この手の平に大丈夫 ぬくもりがあなたの声になって伝えてくれる
涙目 真っ赤に染まるお空が恐くってばあちゃんの背中にしがみつく「誰かが真っ赤にした目で泣いてるんかもしれないよ」そう言ったからそれは可哀相だと少しだけ泣かないで…と見上げた夕焼け
彼は誰どき 窓辺から覗く 夜明けの月がもうすぐあなたを連れ去っていく帰らないでと口にするのは わたしの方ばかりでまた連絡するからと放つのは あなたの方ばかりわかってるあなたも わたしも このドキドキをどこかで永遠などとは思っていないただ 今 この一瞬 離れたくないだけ一度でいいあの朝もやが消えてなくなってこの部屋に光射すまで ふたり一緒に過ごせたなら愛されていた…と さよなら言えるかもしれない
Parkour 伸るか反るか 上るか下るか Upside-down おまえ次第天国か地獄か アミダくじとはよく言ったものささぁ どうする 道先案内人にはなれないぜ自分らしさを望むなら夜明けを待つかい それとも 日暮れを追うかいあえて告げよう信じてみる 神が手向けた Climb the Ladder男か女か 中性か何者だ Do not matter おまえ次第天使か悪魔か トラストミーとはよく言ったものささぁ どうする 裏付鑑定人にはなれないぜ自分らしさを望むなら新月を熟めるかい それとも 満月に懸けるかいあえて言うなら信じよう 神の差し出す Climb the Ladder
Yesterday Today and Tomorrow 音もなく落ちていく葉が一枚今日もまた一枚育て方が悪いのかもと気になったけれど季節がまた訪れれば花を咲かせてくれるらしいその花の名前はYesterday Today and Tomorrow花言葉は“夢の名”それはあなたのことのよう
ココアと初雪、休日は。 何にも無いようなポツンとしたカフェでココアが飲みたい漠然としたリクエスト 応えるようにビルの谷間抜けた車中はボサノバドライブ気分を盛り上げる本当にこんな場所にあるのか 君はナビに釘付けでスローライフ 一言が合う橙色の光とログハウス見つけたと喜んで飛び出していく背中を見ては女子だねぇと笑って追いかけるカップに両手を添えて 小さく舌先ペロリココアの雫チョコんと付けた唇があ と開いて瞳は窓の外つられて一緒に眺めるガラスの向こうゆらゆら落ちる真綿の欠片冬の街 ホワイトデコレーションそれが当たり前で育った僕たちは今年はじめて一緒に見る雪にホッとする帰り道の心配もそっちのけで癒されてテーブルに積もった君のお喋りも 白く見えた
日回り草 キミが訪ねて来ると太陽連れて歩いて回って雨の予報も吹っ飛ばすと言うからあの花の丘で「だるまさんがころんだ」でもして日回り草、みんなこっち見てた!みたいなことがあったらちょっと楽しい。
さかのぼる魔法 喋った 歩いた 踊った 歌った 重くなった友達できた いじわる覚えた 好きな子できたどんどん大きくなって喜びと離れていく寂しさも感じないわけではないの肌身離さずのぬいぐるみ今はもう手術痕だらけ おもちゃ箱で眠ってる家族になったあの人と二人きり毎日近所の公園から聞こえる幼い声に切なかった10年に二人で生きていこう 犬でも飼おう決めた矢先の突然降って来るように授かるキミ"赤ちゃんにもど〜れ〜"指先をくるくる回して魔法をかけてみても"もう〜やめてっ" 今はそう返って来るだけキミが巣立つ日も近いのかもしれない心の準備まだできていない もう少しだけ そばに居て"赤ちゃんにもど〜れ〜"魔法にかかったふりでもいい
今すぐに ショーウィンドウ ガラスの向こう交わす視線 背を向けて遠ざかる 二人を隔てるもの一度でいい 触れてみたい 衝動に夢を見て焦げていく叶うなら 何もかも失ってもいいキレイゴト並べ立てても 訪れる偶然 逃さないすべてを変える口づけが潤んだ瞳を隠す 髪に触れては漏れる吐息抑えきれない鼓動今すぐ溺れたい 打ち寄せては返す溢れる波間にクロノメーター 時を告げた交わす言葉 見つめ合って離れる 二人を引き裂くもの何度でもいい 抱いていたい 切なさに胸が疼いていく望むなら いつ飛んで来たっていいウソバッカリ呟かれても 超えられる隙間 離さないすべてを変えた口づけが濡れた唇寄せ 耳に囁いては震える肩止められない振動今すぐに堕ちたい 打ちつけるたび弾かれる潮騒に
スーパーヒロイン おとなし目だと通知表 先生に書かれてたイジワルな男子 いつも囲まれ茶化されるその度に現れてくれたスーパーヒロイン笑って一緒に残ってくれる放課後の体育館あの日が一番よく覚えてるそれがいつの間にか何してもサラッとこなし 周りのウケもイイ得意気に笑うその顔が世界で一番大嫌い一緒にして欲しくないと反抗心あなたが赤を選んだなら青を選びあなたが上を目指すなら平凡を望み…を繰り返しそれに気付いてない振舞いに嫌気は最高潮なのに 得意気と思ってた笑顔は人一倍泣いてたからだと気付かされたのは いつのことだっただろう私はあなたを見ていなかったのにあなたは私をずっと見ててくれた悔しいけど やっぱり私のスーパーヒロインだから言わせて ありったけ「お姉ちゃん…ごめんね…ありがと…あいしてる…。」